北米、英国、ヨーロッパの企業に就職するには、ResumeやCV(Curriculum Vitae)と呼ばれる英文の履歴書が必要です。Resumeは主に北米で、CVは主に英国やヨーロッパで使われますが、求人応募においては同じ意味で使用されます。ここでは「Resume」で統一して説明します。
Resumeは日本の履歴書と職務経歴書を合わせたものに似ていますが、特定のフォーマットや内容の決まりはありません。ただし、年齢や家族構成などの個人的な情報や顔写真を含めないなどの注意点があります。これらの詳細については、後ほど詳しく解説します。
Resumeは応募先ごとに最適化させましょう
Resumeは応募先ごとに作り変えます。職務内容に合致するように自分の職務経験の関連分野を強調したり、無関係なキャリアを除外したり、必要なキーワードを加えたりします。
Resumeを作成する前に、応募者追跡システム(ATS)について知っておく必要があります。ATSとは、企業に送られてきたResumeを自動的に読み取り、選別するシステムです。職歴、スキル、学歴、その他の関連情報のキーワードを解析し、そのResumeが応募ポジションに適しているかを判断します。要件を満たす履歴書はデータベースに追加されます。
現在、多くの企業がこのATSを使用しています。オンラインで仕事に応募する際には、ほぼ確実にATSを通過することになります。選考に進むためには、ATSの特性を理解することが非常に重要です。
次に、あなたのResumeがATSを通過するために具体的に何をすべきかを詳しく見ていきましょう。
フォーマットや形式
ATSは欠けていることが多く、特定のアルゴリズムに基づいて処理されます。そのため、書式のエラー、画像、余白、グラフ、読み込めないヘッダー情報などが原因で内容に関係なく除外されることがあります。これを防ぐために、Resumeがコンピュータで正しく判読できるよう、フォーマットやフォント、余白のサイズなどに注意を払う必要があります。
Word 形式を優先する
多くのATSシステムはPDFファイルも処理できますが、一部では問題が発生することがあります。しかし、Word文書ならどのATSシステムでも問題なく読み取れます。そのため、特に指定がない場合は、Word文書で送るのが安心です。
現在、多くのシステムがPDFを読み取れるように進化していますが、安全のためにWord文書(.docファイル)を送ることをおすすめします。古いATSシステムではPDFをうまく解析できないことがあるからです。
さらに、雇用主が特定のファイル形式を指定しているかどうかを確認するために、常に求人内容をチェックしましょう。もしファイル形式の指定がなく、オンラインで応募する場合は、履歴書がATSで読み取られることを考えて、Word文書を送信してください。
標準的なフォーマットを選ぶ
画像、デザイン、グラフ、表を含まないシンプルなResumeフォーマットを選びましょう。明確で簡潔な履歴書は、ATSが処理しやすくなるだけでなく、採用担当者にも好印象を与えます。
写真は載せない
ATSシステムは画像を読み取れないため、履歴書に写真を載せると不適切なフォーマットと判断される可能性があります。
また、写真を含めると年齢、性別、民族などの情報が明らかになり、差別的な採用を避けるために写真付きの履歴書を破棄する採用担当者もいます。これらの理由から、履歴書には写真を載せないようにしましょう。
派手な色やデザインを避ける
ATSは黒色のテキストを認識しやすいですが、派手な色やデザイン、特殊なフォントを使うと読み取りが難しくなります。システムはテキストをスキャンすることを前提としているため、2段組や写真入りのクリエイティブなデザインのResumeを送るとエラーが発生し、拒否される可能性があります。
適したフォントを使用する
ATSが処理できるプロフェッショナルなフォントを使用しましょう。適切なフォントを選ぶことで、ATSのスキャンを確実に通過できるだけでなく、採用担当者にも読みやすいResumeになります。
履歴書に使用するのに適したフォント
履歴書にスキルを記載する際は形式が重要
情報を視覚的に区別するために線や枠線を追加するのは効果的ですが、テキストボックスや表の使用は避けてください。すべてのATSがこれらの機能を正しく読み取れるわけではないため、スキルセクションが見落とされる危険があります。
スキルセクションは読みやすくすることが重要です。以下のように縦棒を使って記載しましょう。
サプライチェーン管理 | 物流開発 | 調達 | 輸出管理 | 在庫管理 | 販売管理 | 継続的な改善 | ベンダーの関与 | スタッフトレーニング | 予算管理 | 予測 | CRM | 監査 | 多言語
まずは職務内容や企業情報を分析し、重要なキーワードを見つけましょう
ATSのアルゴリズムは、職務や業界に関連するキーワードをスキャンするように設計されています。
求人情報を確認し、雇用主が強調しているスキルに注目しましょう。
Resumeには適切なキーワードを使用して調整することが重要です。前のレッスンで、希望するポジションに関連する主要なキーワードを特定しましたので、それを活用しATSに対応したResumeを作成します。
職務記述書で使われているキーワードを使用する
職務内容に記載されたキーワードがあなたの職歴と一致していることを確認しましょう。職務記述書には、そのポジションに必要な重要な要件とソフトスキルが詳しく書かれています。これらのキーワードを正確にResumeに含めてください。
ATSは、候補者が必要な資格を持っているかを確認し、その仕事に適しているかを判断します。職務内容を読み、重要なキーワードと口調を理解しましょう。スキルはどのように説明されていますか?必要なスキルは何ですか?職務内容で使用されているのと同じ方法で、Resumeにもスキルを記載しましょう。
職務記述書は必ずしも採用担当者によって書かれるとは限りませんが、採用担当者はそれを基に面接を進めます。Resumeのスキルを職務記述書に記載された要件と一致させることが重要です。
スキルリストを活用する
前のレッスンで作成した個人ブランドのスキルリストを活用します。応募するポジションに最適なキーワードを選び出し、自分のリストと照らし合わせてください。
性格特性、学力、ボランティア活動や副業で得たスキルも忘れずに含めるようにしてください。
スキルセクションで箇条書きを使用する場合、各ポイントは1つまたは2つの単語にまとめると良いでしょう。採用担当者はバランスの取れた候補者を求めていますので、ハードスキルとソフトスキルの両方を組み合わせましょう。以下にソフトウェア開発者のスキルセクションの例を示します。
学位や略語は正式名称で記載する
ATSのキーワードスキャナはすべての略語を理解できるわけではないため、略語だけでなく正式名称も少なくとも1回は記載しましょう。採用担当者や採用マネージャーは、必ずしもその職務や業界に精通しているわけではないため、業界特有の専門用語を避けることで、あなたの職務内容を理解しやすくなります。
略語の正式名称の例
あなたのスキルをスキルセクションに記載し、Resumeの他のセクションにも散りばめましょう。これらの単語やフレーズは、ATSスキャンに合格するための効果的なツールです。職務内容のキーワードを使用し、具体的に表現することが重要です。そのためには、可能な限り数字を使ってください。
スキルを記載する3つの場所
職務内容から分析したキーワードは、Resumeのさまざまな場所に記載できますが、最も簡単に追加できるのはスキルのセクションです。
スキルセクション
一般的なスキルセクションには6~10個の主要なスキルが含まれます。最も印象的で希少なスキルをリストに含めましょう。ソフトスキルは職務経験や概要で明らかにできるため、ここには主にハードスキルや技術的なスキルを記載します。ハードスキルとソフトスキルの比率は2:1が理想です。
概要セクション
概要セクションは履歴書の中で最も重要な3~4行です。ここにはあなたの最高のスキルが反映されるべきです。スキルセクションに記載した希少なスキルを繰り返しても構いません。説明的な部分と暗黙的な部分の両方で、あなたのスキルが際立つようにしましょう。
職歴セクション
業績を具体的に説明することで、あなたのスキルが自然に伝わります。たとえば、「年間の設備支出を15%節約」と記載すれば、交渉スキルが明確に伝わります。自分の言葉を賢く使い、具体的な成果を示しましょう。
数値を使ったスキルの書き方
他の候補者よりも目立つためには、自分の実績を強調することが重要です。定量化できる成果は、採用担当者の注目を引きます。責任の書き方の例を見てみましょう。
「顧客満足度を向上させるための新しいサポート体制を導入する責任があります。」
これを成果として表現すると、次のようになります。
「24時間対応のチャットサポートを導入することで、顧客満足度が15%向上しました。」
2番目の説明は、数値化した成果を伴う実際の結果を示しており、最初の説明よりもはるかに効果的です。